
口過疎の村・町もいずれもが問題を抱えている。地域にどのような問題があり、その解決のためにどのようにすればよいかについては、自治体をはじめ地域のさまざまな団体・組織・機関が日常的に取り組んでいることである。
しかし、「青年の家」という地域の構成員でありながら、他からの青年を受けいれているという特徴が、従来とは一味違う総合診断アクションを実現する可能性を持っている。
第2提案 地域創りのパートナー
阪神・淡路大震災にかけつけた青年たちが、困難な復興が続いている被災地の人たちと今でも交流し、望まれかつ適切な支援を行っていることはよく知られている。自然災害のような非常時にかぎらず、地域においては恒常的に新しい地域創りが試みられている、そのことに「青年の家」に訪れる青年たちがパートナーとして参加することが求められている。
その地域を訪れた青年には、本来、それぞれの生活地域があるわけだから、わざわざ「青年の家」のまわりの地域にかかわる必要はないという指摘もあろう。しかし、地域創りという新しい学習経験は、未知地域で未知領域にチャレンジすることによって効果性を発揮するのである。
第3提案 多彩メディアによる地域表現
いうまでもなく表現手段すなわちメディアは“身体”“音楽”“言語”“文字”“視覚”など多彩である。最近の10年間には、これらをヨコ軸として映画・テレビ・ビデオ・CGなどを連携させたマルチメディアが開発され、今後、急速に発展すると考えられている。
青年たちが「青年の家」をアクション・べースとして地域と接触し、多彩な手段を駆使して地域を表現し、地域から発信することを期待したい。
第4提 案地域産業への支援
すでに「青年の家」で試みられていることだが、さらに強調し焦点をあててよいこととして地域産業への支援を指摘したい。その地域の産品を「青年の家」訪問の記念として購入できるよう配慮することにとどまらず、地域産業への協力をさらに強化してはどうかというポイントである。食材はじめ費消する品々を購入する際、「青年の家」にもっとも近い場所で生産されているか、流通の末端処理が「青年の家」の地域で行われているかどうかを優先する原則を提唱したい。
現在の自由競争経済社会および運営管理基準にもとづけば、経済的効果の面からは大量消費のためのシステムに依存するのは当然であろうし、地域毎の購入・調達の標準化は困難であり、現実的ではないという批判もあるであろう。
しかし、すべてではないとしても可能な改革点について改めて検討・点検してはどうであろうか。
第5提案 スタッフ研修
上記の4項目の私的提案を試みるにあたっての要となるのが「青年の家」のスタッフの指導性(リーダーシップ)である。そこで、「青年の家」のスタッフの指導性の向上、深化を目標とする総合的研修計画の刷新が求められる。研修によって指導性を高めるにあたって、次の5つのポイントを考慮することを提案したい。
?@スタッフは、規則や強制力にたよることなく、自発的な協力関係を通じて指導性を発揮すること。
?Aスタッフは、青年、地域の人々と共通の考え方を持つ人間関係をつくりあげること。
?Bスタッフは、個人として発揮する指導性を
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